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2026.08.10
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通信制高校なら自分のペースで学べる?「自由」の中身と続けるための仕組みを解説

「毎朝きまった時間に起きて、きまった時間割で過ごす。それが、どうしてもしんどい」
「自分のペースで学べる高校があるらしい。でも、自由すぎて続かないのではないか」
先に結論からお伝えします。通信制高校は、自分のペースで学べます。 学習の中心が「教室での授業」ではなく「自宅での学習とレポート」だからです。
ただし、「自分のペース」という言葉は少しあいまいです。何がどこまで自由になるのかを知らないまま入学すると、「思っていたのと違った」となってしまいます。
この記事では、通信制高校で自由になるものは何か、なぜそれが可能なのか、3年で卒業するにはどれくらいのペースが必要か、そして自己管理が不安なときにどうすればいいかまでを、順番にお伝えします。
結論:自由になるのは時間、登校の回数、科目の組み方の3つ

通信制高校の「自分のペース」は、大きく次の3つに分かれます。
- いつ学ぶか(学習する時間帯)
- どれくらい通うか(登校の回数)
- どの科目を、どの順番で学ぶか(履修の組み方)
逆にいうと、この3つ以外は自由になりません。卒業に必要な単位数や在籍期間は、全日制・定時制と共通のきまりがあります。まずは、自由になる3つを見ていきましょう。
① いつ学ぶか
通信制高校の学習は、自宅で教材を読み、レポート(添削指導の課題)を仕上げて提出する形が中心です。学校が「何時から何時まで」と指定するわけではありません。
朝が苦手な人は、昼から始めてもかまいません。日中に仕事や練習がある人は、夜に机に向かうこともできます。決まっているのは、レポートの提出期限だけです。その期限までの時間を、どう配分するかは自分で決められます。
② どれくらい通うか
通信制高校にも、登校して先生から直接指導を受ける日があります。これを**面接指導(スクーリング)**といいます。
この回数は、学校やコースによって大きく違います。年に数日の集中スクーリングで済む学校もあれば、週に何日か通うコースを用意している学校もあります。「通信制=まったく通わない」ではなく、通う量を自分で選べるというのが正確なところです。
③ どの科目を、どの順番で学ぶか
通信制高校の多くは単位制です。文部科学省は単位制高校を「学年による教育課程の区分を設けず、決められた単位を修得すれば卒業が認められる高等学校」と説明しています。特色として「自分の学習計画にもとづいて、自分の興味、関心等に応じた科目を選択し学習できること」が挙げられています。
得意な科目から始めてもいい。今年は少なめにして、来年に多く取ってもいい。この組み立ての自由が、3つめのペースです。
なぜ自分のペースで学べるのか|通信制高校の仕組み

「自分のペースで学べます」は、学校のうたい文句ではなく、制度としてそう決まっています。理由は3つあります。
① 学習の方法が「添削指導・面接指導・試験」だから
高等学校通信教育規程という国のきまりに、こう書かれています。「高等学校の通信制の課程で行う教育は、添削指導、面接指導及び試験の方法により行うものとする」。
つまり、通信制高校の学びは「教室に座っている時間」ではなく、「課題を仕上げて提出したかどうか」で評価されます。だからこそ、机に向かう時間帯を自分で決められます。
② 単位制だから、学年でつまずかない
全日制高校の多くは学年制です。1年生の必要な科目を落とすと、学年ごとやり直す「原級留置(留年)」になることがあります。
一方、通信制高校が基本とする単位制には、学年による区分がありません。修得できなかった科目があっても、その科目だけをもう一度取り直せます。取れた単位はそのまま積み上がっていきます。
一つの科目でつまずいても、そこですべてが止まるわけではない。この点が、自分のペースを支えるいちばん大きな仕組みです。
③ 面接指導は少人数が基本と決められているから
高等学校通信教育規程では、「同時に面接指導を受ける生徒数は、少人数とすることを基本とし、四十人を超えてはならない」と定められています。
大人数の教室が苦手だった人にとって、ここは知っておく価値があります。スクーリングの場は、制度として少人数が前提になっています。
3年で卒業するには、どれくらいのペースが必要か

「自由」を具体的な数にしてみると、進め方のイメージがつかめます。
高等学校の卒業に必要なのは、次の3つです。これは全日制・定時制・通信制で共通です。
| 卒業の要件 | 内容 |
|---|---|
| 在籍期間 | 3年以上 |
| 修得単位 | 74単位以上 |
| 特別活動 | 卒業までに30単位時間以上 |
74単位を3年で割ると、1年あたり約25単位です。
レポートの回数は、学習指導要領で1単位あたりの標準が示されています。国語・地理歴史・公民・数学は3回、理科は3回、体育は1回といった具合です。仮に年25単位・1科目あたり3回で計算すると、年間およそ70〜75通、週に1〜2通のペースになります。
「毎日たくさん」ではありません。ただし、「気が向いたときだけ」でもありません。週に1〜2通を1年つづける。これが、3年で卒業するときの現実的なペースです。
なお、この本数は科目の組み方で変わります。急がずに4年かけて卒業する進め方も、単位制なら選べます。
「自分のペース」は「ひとりきり」という意味ではありません

自分のペースで学べることには、裏側があります。進み方を決めるのが自分になるという点です。
レポートが1通たまり、2通たまり、気づけば期限が過ぎている。この流れは、実際によくあります。
大切なのは、これを「自己管理ができない人には向いていない」で終わらせないことです。制度の側も、そこに手当てをしています。
文部科学省の「高等学校通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン」には、こう書かれています。「履修登録しているにも関わらず、添削課題への取組や面接指導への参加が困難な生徒に対しては、例えば生徒や保護者等への面談や電話かけ等を行うなど、個々の実情に応じ、適切な指導又は支援を行うよう努めること」。
さらに、「不登校経験や中途退学その他多様な課題を抱える生徒の実態等を踏まえ、養護教諭、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置するなど、きめ細かな支援の充実に努めること」とも記されています。
つまり、止まってしまったときに声をかけてもらえる仕組みは、学校側が用意すべきものとして位置づけられています。「自分のペース」は「放っておかれる」ことではありません。
そのうえで、自分でできる工夫もあります。
- レポートに取り組む曜日と時間を、あらかじめ決めておく
- 提出期限をカレンダーに書き出し、1週間前に印をつけておく
- つまずいた科目は、ためこむ前に先生に相談する
学習が止まる原因は、能力ではなく仕組みにあることがほとんどです。仕組みは、あとから整えられます。
全日制・定時制・通信制、学びのリズムはどう違う?
3つの課程は、学校教育法で次のように定められています。どれが優れているという話ではなく、リズムが違うだけです。
| 全日制 | 定時制 | 通信制 | |
|---|---|---|---|
| 授業の時間帯 | 通常の時間帯 | 夜間その他特別の時間・時期 | 通信による教育 |
| 修業年限 | 3年 | 3年以上 | 3年以上 |
| 学びの中心 | 時間割にそった授業 | 時間割にそった授業 | 自宅学習とレポート、面接指導で補う |
| 学習時間を決めるのは | 学校の時間割 | 学校の時間割 | 提出期限の範囲内で生徒が配分 |
| 卒業に必要な単位 | 74単位以上 | 74単位以上 | 74単位以上 |
ここでひとつ、誤解されやすい点があります。
「全日制・定時制・通信制」という課程の違いと、「学年制・単位制」という区分は、別の軸です。 全日制でも単位制の高校があり、通信制でも学校ごとに運用は違います。「通信制だから留年がない」と一括りにせず、志望する学校がどちらの仕組みかを確認してください。
いま在籍している高校が合わないと感じたら
すでに高校に通っている人は、途中から移ることもできます。
- 転入学:いま高校に在籍したまま、別の高校へ移ること
- 編入学:高校をやめたあとに、あらためて入学すること
転入学は随時受け入れている学校が多く、編入学は学期の区切りに合わせて実施されるのが一般的です。募集の時期は学校によって違うので、志望校に直接確認してください。
タイミングで気をつけたいのは、前の高校で取った単位の扱いです。全日制の単位は年度末に確定するのが原則のため、年度の途中で移ると、その年度の単位が引き継げないことがあります。「同級生と同じ時期に卒業したい」という希望がある場合は、動く時期を早めに相談しておくと安心です。
自分のペースで学べる学校を選ぶときの確認ポイント

「自分のペースで学べます」は、ほとんどの通信制高校が掲げています。だからこそ、中身を確かめる質問を持っておくと、学校選びがぶれません。
① 登校の回数は、年に何日か
コースごとに違います。「いちばん少ないコースで年に何日か」を数で確認しましょう。
② レポートは年に何通で、提出の方法は何か
紙かオンラインか、締め切りの間隔はどれくらいか。生活のリズムと合うかを見ます。
③ 提出が遅れたとき、どうなるか
再提出ができるのか、いつまで待ってもらえるのか。ここを事前に聞いておくと、あとで追いつめられずに済みます。
④ スクーリングに行けなかったとき、代わりの方法はあるか
別日程への振りかえや、オンラインでの参加を用意している学校があります。学習指導要領では、オンライン等のメディアを利用した学習によって面接指導の時間数の一部を免除できる仕組みも定められています。
⑤ 相談できる相手がいるか
担任や相談員がいるか、連絡の手段は何か。「困ったときに、誰にどう伝えればいいか」がはっきりしている学校は、続けやすい学校です。
雨ニモマケズ高等学校の場合
雨ニモマケズ高等学校は、2027年4月の開校を予定している広域通信制・単位制の普通科高校です。学校法人幸和学園が運営し、校長には元吉本興業ホールディングス会長の大﨑洋氏が就任しています。本校は広島県呉市の廃校をリノベーションして整備が進み、広島・大阪・東京にキャンパスを準備しています。
コンセプトは「人生を急がないための学校」。競争や評価から少し離れた余白のなかで、自分のリズムを取りもどしていくことを大切にしています。
学びの場は、画面の中だけではありません。職場体験やインターンシップ、社会人が混ざる部活動など、実際の場に出ていく機会を用意していく予定です。自分のペースで進めながら、外の世界とのつながりも持てる。そんな学校をめざしています。
開校前のため、カリキュラムやコースの詳細は準備を進めている段階です。最新の情報は、説明会や個別相談でお伝えしています。
よくある質問(FAQ)
ここからは、「自分のペース」について、よくある質問にお答えします。
通信制高校は、本当に自分のペースで学べますか?
学べます。自由になるのは「学習する時間帯」「登校の回数」「科目の組み方」の3つです。ただし、卒業に必要な74単位以上の修得・3年以上の在籍・特別活動30単位時間以上は、全日制・定時制と共通の要件です。
まったく通わずに卒業できますか?
通信制高校でも、面接指導(スクーリング)への参加は必要です。回数は学校やコースによって大きく違い、年に数日という学校もあります。「通わない」ではなく「通う量を選べる」と考えてください。
3年で卒業するには、どれくらいのペースで学習しますか?
74単位を3年で割ると1年あたり約25単位です。レポートは1単位あたり3回程度が標準のため、年間およそ70〜75通、週に1〜2通が目安になります。科目の組み方によって変わります。
自己管理が苦手でも大丈夫でしょうか?
学習が止まったときに声をかける支援は、学校が努めるべきものとして国のガイドラインに示されています。担任や相談員の配置、連絡の取りかたを入学前に確認しておくと安心です。あわせて、取り組む曜日を決める、期限を書き出すといった小さな仕組みづくりも助けになります。
レポートの提出が遅れたら、単位は取れなくなりますか?
対応は学校によって違います。再提出や期限の延長を認めている学校もあります。「遅れたときにどうなるか」は、出願前に必ず確認しておきたい項目です。
通信制高校に留年はありますか?
単位制には学年による区分がないため、学年ごとやり直す原級留置の仕組みがありません。修得できなかった科目だけを取り直します。ただし、課程の違いと学年制・単位制の区分は別の軸のため、志望校の仕組みを確認してください。
いま高校に通っていますが、途中から移れますか?
移れます。在籍したまま移る「転入学」と、やめたあとに入り直す「編入学」があります。前の高校で取った単位を引き継げる場合もあるため、時期については早めに相談してください。
雨ニモマケズ高等学校には、いまから相談できますか?
できます。2027年4月の開校前ですが、各地で説明会を実施しているほか、LINEやWebでの個別相談を受け付けています。「まだ迷っている」段階でも、そのままご相談ください。
まずは、話をきかせてください
「自分のペースなら、続けられるかもしれない」
そう思えたなら、それはもう一歩目です。
雨ニモマケズ高等学校には、LINEで気軽に質問できる「LINEなんでも相談室」があります。学習の進め方、登校の回数、卒業までのながれ。どんな小さな疑問でも、そのままおたずねください。あなたのペースに合わせて、ていねいにお話しします。
まっています。