
「通信制高校って、結局どのくらい学校に行くのだろう」
「大勢のなかに入るのが苦手。登校日が不安で決めきれない」
先に結論からお伝えします。スクーリングとは、学校に登校して先生から直接指導を受ける授業のことです。回数は学校によって大きく違い、年に数日で済む学校もあれば、週に数回通う学校もあります。
そして、もう一つ知っておきたいことがあります。オンラインを活用しても、スクーリングを完全にゼロにはできません。制度上、面接指導の一部は必ず受ける必要があるためです。だからこそ、「どのくらい通うか」は学校選びで最初に確認したいところになります。
この記事では、スクーリングのしくみ、回数の目安、1日のながれ、オンラインでの免除の範囲、そして学校選びの確認ポイントまでをお伝えします。
結論:スクーリングとは「登校して直接指導を受ける授業」

スクーリングは、正式には「面接指導」と呼ばれます。学校やスクーリング会場に登校し、先生から直接指導を受ける時間のことです。
通信制高校で単位を修得するには、次の3つがそろう必要があります。
- レポート(添削指導)…自宅で教材を使って課題に取り組み、提出して先生の添削を受ける
- スクーリング(面接指導)…登校して先生から直接指導を受ける
- 単位認定試験…学習の内容が身についているかを確認する
学習の中心は自宅でのレポートです。スクーリングは、その学習を補い、つまずいたところを直接きける場として位置づけられています。「毎日の授業のかわり」ではありません。
なぜスクーリングが必要なのか
スクーリングが必要なのは、高等学校学習指導要領で、教科ごとに受けるべき面接指導の時間数が定められているからです。
1単位あたりの標準は、次のとおりです。
| 科目 | 添削指導(回)目 | 面接指導(単位時間) |
|---|---|---|
| 国語・地理歴史・公民・数学 | 3回 | 1単位時間 |
| 理科 | 3回 | 4単位時間 |
| 保健 | 3回 | 1単位時間 |
| 体育 | 1回 | 5単位時間 |
| 芸術・外国語 | 3回 | 4単位時間 |
| 家庭・情報・専門教科 | 2〜3回 | 2〜8単位時間 |
表を見ると、実技をともなう教科ほど面接指導の時間が長いことがわかります。体育や理科の実験のように、その場でしか確認できない学びがあるためです。
なお、教科の学習とは別に、特別活動への参加が卒業までに30単位時間以上必要です。ホームルームや行事、校外での体験学習などが含まれます。この時間も、多くの学校でスクーリングの日程にあわせて行われます。
スクーリングの回数はどのくらい?3つのタイプ

回数は学校によって大きく違います。おおよそ次の3タイプに分かれます。
① 集中型(年に数日〜十数日)
年に1〜2回、数日間まとめて登校するタイプです。宿泊をともなう場合もあります。遠方に住んでいる人や、通学の負担を最小限にしたい人に向いています。
そのぶん、1回あたりの日程は密になります。連泊や長時間の集団行動が負担になる場合は、事前に配慮を相談しておくと安心です。また、交通費や宿泊費が別途かかる点も確認しておきましょう。
② 月数回型
月に1〜4回程度、決まった曜日に登校するタイプです。学習のペースをつくりやすく、先生や同級生と定期的に顔を合わせられます。生活のリズムを整えたい人に向いています。
③ 週数回型(通学コース)
週に1〜5日、キャンパスに通うタイプです。全日制に近い環境で過ごせるため、「家に一人でいる時間を減らしたい」「相談できる相手が近くにほしい」という人に向いています。制度上の面接指導に加えて、学校独自のサポート授業を組み合わせている場合が多くあります。
同じ「通信制高校」でも、①と③では生活がまったく違います。パンフレットの「年◯日」だけでなく、その内訳(必須なのか、希望制なのか)まで確認してください。
スクーリングの1日のながれ

学校によって違いますが、集中型・月数回型の一般的な例は次のようになります。
- 午前:受付・ホームルーム → 授業(面接指導)2〜3コマ
- 昼:昼食・休憩
- 午後:授業(面接指導)2〜3コマ → 提出物の確認・質問対応 → 下校
授業は、教科書にそった解説と、レポートでつまずいたところの補足が中心です。発表やグループワークが必ずあるわけではなく、先生の話をきいて手を動かす時間が多くを占めます。
体育の授業では軽い運動を行います。見学や別の課題での対応ができるかどうかは、体調に不安がある場合、事前に相談しておきましょう。
「通学ゼロ」で卒業できる?オンラインでの免除の範囲

結論からお伝えします。オンラインを活用しても、スクーリングを完全にゼロにすることはできません。
高等学校学習指導要領では、動画視聴やオンライン授業といった「メディアを利用して行う学習」によって、面接指導の時間数を一部免除できると定められています。免除できるのは、一つのメディアにつき10分の6以内。複数のメディアを組み合わせても、合計で10分の8を超えることはできません。
つまり、少なくとも10分の2にあたる時間は、実際に登校して指導を受ける必要があります。「完全在宅で高校卒業」とうたう案内を見かけたら、その内訳を必ず確認してください。
とはいえ、この免除のしくみがあるおかげで、登校日を年に数日まで抑えられる学校が増えています。「通学ゼロ」はできなくても、「通学をとても少なくする」ことは現実的です。
なお、レポートの提出をオンラインで行える学校も増えています。日々の学習をどこまでオンラインで完結できるかは、学校ごとに差が大きいところです。
スクーリングが不安な人が、事前に知っておくと安心なこと

服装は私服の学校が多い
制服がない学校では、清潔感のある私服で問題ありません。制服を用意している学校でも、着用が任意の場合があります。体育の授業がある日は、動きやすい服装や運動靴の指定があることもあります。
年齢や経歴は、ばらばら
通信制高校には、いろいろな経緯で入学した人が集まります。年齢の幅も広く、「みんな同じ」という前提の場ではありません。周りとの違いが気になりにくい環境だと感じる人が多くいます。
話しかけられるのが苦手でも大丈夫
授業は先生の指導が中心で、必ず誰かと組まなければいけない時間ばかりではありません。休み時間を一人で過ごしている人もいます。
行けなかった日の振りかえができるか
体調がわるくて登校できなかったとき、別日程に振りかえられるか。この対応があるかどうかは、学校によって大きく違います。続けやすさに直結する部分なので、入学前に必ず確認してください。
付き添いや事前見学ができる学校もある
初回だけ保護者の付き添いを認めている学校や、スクーリング前にキャンパスを見学できる学校もあります。当日いきなり、という状況を避けられると気持ちが楽になります。
雨ニモマケズ高等学校のスクーリング
雨ニモマケズ高等学校は、2027年4月の開校を予定している広域通信制・単位制の普通科高校です。運営は学校法人 幸和学園、校長は元吉本興業ホールディングス会長の大﨑洋です。
コンセプトは「人生、急がないための学校」。競争や評価に追われる毎日から少し離れて、自分のなかの声を取り戻す。その「余白」を大切にする学校を目指しています。
広島・大阪・東京の3キャンパスで、年2回程度を予定
主要キャンパスは、広島・大阪・東京の3拠点です。いずれも街の中心にあり、市民・企業・行政と関わりやすい立地を選んでいます。スクーリングは、この主要キャンパスで年に2回程度を予定しています。
知識はオンラインで効率よく学び、生まれた時間を体験や探究にあてる。登校の回数を絞っているのは、通うこと自体を目的にしないためです。
全国の地域に置く「体験学習エリア」
主要キャンパスに加えて、全国の地域に体験学習エリアを設ける構想があります。希望する生徒が、その土地ならではの活動に参加できる環境を整えていく予定です。教室で学んでから社会に出るのではなく、社会や自然のなかに学びの場所がある。それが雨ニモマケズ高等学校の考え方です。
※スクーリングの具体的な日程・日数・会場、行けなかった場合の振りかえ対応、体験学習エリアの詳細(場所・活動内容・開始時期)は現在準備中です。確定した内容は、説明会や公式サイトで順次ご案内していきます。
なお、2027年4月の開校前のため、まだ在校生はいません。いまは準備を進めている段階です。開校時期や各準備の詳細は状況により変わる可能性があるため、最新の情報は公式の発表をご確認ください。
学校選びで確認したい4つのポイント
スクーリングの条件は、卒業までの3年間ずっと続きます。次の4つは、入学前に必ず確認してください。
① 年間の日数と、その内訳
年に何日登校するのか。そのうち必須は何日で、希望制は何日か。「最短◯日」という表記の場合、その条件(オンライン学習を最大限に活用した場合など)もあわせてきいておきましょう。
② 会場はどこか。移動と費用はどうなるか
自宅から会場までの距離と所要時間を、実際に調べておきます。宿泊が必要な場合、交通費・宿泊費が学費に含まれるのか、別途かかるのかも確認します。
③ 行けなかったときの振りかえ
体調不良や予定の重なりで欠席したとき、別日程やオンラインで振りかえられるか。振りかえに追加費用がかかるかどうかも確認しておくと安心です。
④ 当日の配慮を相談できるか
人が多い場所が苦手、集団行動に不安がある、体育の実技がむずかしい。そうした事情を事前に伝えられる窓口があるか。誰に、いつまでに伝えればいいのかまできいておくと、当日の負担が変わります。
よくある質問(FAQ)
ここからは、通信制高校のスクーリングについて、よくある質問にお答えします。
Q. 通信制高校のスクーリングとは何ですか?
A. 学校やスクーリング会場に登校し、先生から直接指導を受ける授業のことです。正式には「面接指導」と呼ばれます。通信制高校で単位を修得するには、レポート・スクーリング・単位認定試験の3つが必要で、スクーリングはそのうちの一つです。
Q. スクーリングは年に何回ありますか?
A. 学校によって大きく違います。年に1〜2回の集中型、月に数回通う型、週に数回通う型があります。年に数日で済む学校もあれば、週5日通える学校もあるため、パンフレットの日数と内訳を確認してください。
Q. スクーリングに行かないと卒業できませんか?
A. できません。高等学校学習指導要領で、教科ごとに受けるべき面接指導の時間数が定められているためです。オンラインを活用しても免除できるのは最大10分の8までで、残りは実際に登校して受ける必要があります。
Q. オンラインだけで高校を卒業できますか?
A. 面接指導を完全にゼロにすることはできないため、通学が一切ない形での卒業はできません。ただし、メディアを利用した学習を活用することで、登校日を年に数日まで抑えている学校はあります。
Q. スクーリングでは何をしますか?
A. 教科書にそった授業と、レポートでつまずいたところの補足が中心です。体育の実技や、ホームルーム・行事といった特別活動が組まれることもあります。1日に4〜6コマ程度の授業を受けるのが一般的です。
Q. 服装や持ち物はどうすればいいですか?
A. 私服で参加できる学校が多くあります。持ち物は教科書・筆記用具・提出物が基本で、体育がある日は動きやすい服装が必要です。学校ごとに案内があるので、事前に確認してください。
Q. 人と話すのが苦手でも参加できますか?
A. 参加できます。授業は先生の指導が中心で、グループワークが必ずあるわけではありません。不安があれば、申し込みの段階で伝えておくと、当日の配慮を一緒に考えられます。
Q. 体調がわるくて行けなかった日はどうなりますか?
A. 別日程やオンラインで振りかえられる学校があります。ただし対応は学校によって違い、追加費用がかかる場合もあります。続けやすさに関わるところなので、入学前に必ず確認しましょう。
Q. 雨ニモマケズ高等学校のスクーリングはどこで、何回ありますか?
A. 広島・大阪・東京の主要キャンパスで、年に2回程度を予定しています。具体的な日程・日数・会場は現在準備中です。確定しだい、説明会や公式サイトでご案内します。
まとめ:「どのくらい通うか」から、学校を選んでください
通信制高校のスクーリングは、登校して先生から直接指導を受ける授業です。制度上、完全にゼロにはできませんが、回数は学校によって大きく違い、年に数日まで抑えている学校もあります。
大切なのは、自分にとって無理のない回数かどうかです。日数、会場、振りかえの有無、当日の配慮。この4つを確認すれば、入学後の生活がかなり具体的に見えてきます。
雨ニモマケズ高等学校は、広島・大阪・東京の3キャンパスで年2回程度のスクーリングを予定しています。通う回数を絞り、生まれた時間を体験や探究にあてる学び方です。
どんな1日になるのか、自分に続けられそうか。気になることがあれば、説明会や個別相談できかせてください。
まっています。